2006年10月19日

THE VELVET UNDERGROUND「WHITE LIGHT/WHITE HEAT」

今まで名前しか聴いた事も無く、音楽的な位置づけも全くわからないミュージシャンのアルバムを聴く時に何をきっかけにするかというと、自分の記憶の中にあるほんのわずかな繋がりとアルバムを手に取った時に「聴きたい」と思うかという直感であると思う。少なくとも、俺はそうだと思う。今まで興味もわかなかったのに、急にアンディ・ウォーホルのバナナジャケットで有名なバンドの有名じゃない方のアルバムをわざわざ手に取るんだから、俺の意識の与り知らぬ所で直感を刺激する何かあったんだ、多分。

とまあ、不安を煽るような枕で始まった訳だが、これはTSUTAYAから家に帰って冷静になった瞬間の気持ちを再現しただけで、別に音楽が好みに合わなかった訳ではない。こういう実験精神を持ち合わせたバンドは基本的に大好きですから。
思うのは、これをリリースされた当時の音楽状況しか知らない状態で聴いていたら、どのくらい衝撃的だったのかという事だ。実験的な音楽というものは、フォロアーが多くなれば多くなる程、制作者の意図に反して「実験的」でなくなっていくもので、特に既にそのような手法があふれてしまった状況しか知らないリスナーに取っては、それがいかに挑戦的で個性的な事であるか理解する事は不可能に近いだろう。そして、パラダイムシフトが起こる瞬間の衝撃がどういうものかということを理解する事は、なおの事理解するのは不可能だろう。そしてこれは、Led Zeppelinを聴いていていつも思う事なのだ。まあ、ね、このバンドがZeppelin程衝撃的かって訊かれると、そうじゃないと応えてしまうんだが……。ただ、これは前述の理由から俺にとって衝撃的でなかっただけで、ロック史におけるこのバンドの評価を覆すものでも貶めるものでも無い事は明記しておく。

演奏面は、良くも悪くも60年代の域を出ない比較的オーソドックスなロックに近く、この点において前衛的であったり実験的であったりという要素は無い。プログレのバンド程、卓越した演奏技術がある訳でもなさそうだし、Van HalenやPaul Gilbertみたく新しい奏法に挑戦したりとか言う事もしている訳ではない。このアルバムの価値は、完全にアレンジやその他アイデアの勝利によってもたらされたというほかは無いだろう。

好きなんだけど、やっぱり先進的には感じない。60年代のバンドとして、ロック史に名を残すだけの音楽性はあると思うけど。あのバナナジャケットのアルバムはどうなんだろう。でも、嫌いな音じゃないし、今聴いても十分格好良いと思うのは確かだ。


posted by MAO at 21:54| 岡山 | Comment(0) | TrackBack(1) | オンガク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2007-06-30 20:01